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 水腫(むくみ)は水液代謝の異常で水が体内に溜まる病証である。
急性と慢性腎炎、ネフローゼ、心不全、内分泌失調、栄養失調による全身浮腫は本節に参考し弁証論治すれば良い。

  1. 風邪が肺を阻害する: 風邪を感受し、肺の宣発と粛降が阻害され、水液が溜まり、水腫となる。
  2. 湿毒が脾肺を阻害する: 皮膚の瘡瘍などが取れず、体内に入り、脾肺を阻害し、水液が溜まり、水腫となる。
  3. 水湿が脾を阻害する: 湿地に長期間住み、梅雨、生冷物の過食などで、湿邪が脾を阻害し、水湿が溜まり、水腫となる。
  4. 湿熱が三焦を阻害する: 湿熱が脾胃の昇降を阻害し、三焦が詰まり、水液代謝の径路が異常になり、水腫となう。
  5. 飲食労倦が脾気を消耗する: 飲食労倦で脾気を消耗し、運化が弱くなり、水腫となる。
  6. 房労が腎を傷める: 房労で、腎気を消耗し、水液代謝の異常で水腫となる。
  7.   各種の原因が肺、脾、腎に影響し、水液代謝が異常になり、水腫となる。なお、気虚も水腫を引き起こす。水腫はお血を続発する。

水腫は陽水と陰水に区分される。
1、陽水
原因: 風邪は肺を犯し、湿熱の邪気が脾を起こす。
特徴: 発病急、上半身から水腫が起こり、皮膚光滑、抑えて凹陥が直ぐ戻り、煩熱、
口渇、尿赤、便秘など。
2、陰水
原因: 脾腎虚。
特徴: 発病緩慢、下半身から水腫が起こり、皮膚光沢なし、抑えて凹陥が出る。尿不
利、溏便、脱力など。

水腫は眼瞼、或いは足から起こり、ついに全身に手足、全身に波及する。ひどい時には、腹水で呼吸にも影響し、呼吸困難となる。または、尿閉、嘔吐、鼻血、神昏、譫言などを引き起こす。
上半身の水腫がひどければ、発汗、宣肺の方法で治療するが、下半身の水腫は補腎、利尿の方法で治療する。
陽水は表、熱、実証であるから、発汗、利尿、逐水の瀉法で治療する。陰水は裏、虚、寒であるから、健脾、温腎の補法で治療する。水腫がひどい時には、活血化C法で治療する。

1、陽水
(1) 風水による浮腫
「主な症状」眼瞼浮腫、その後手足、全身の浮腫、発病急。
「随伴症状」発熱、悪寒、筋肉関節痛、尿不利。
風熱によるものは: 咽喉赤腫痛、舌質赤、脈浮滑数。
風寒によるものは: 悪寒、咳喘、舌苔薄白、脈浮滑、浮緊、浮沈。
「治療方針」疏風清熱、宣肺行水

(2) 湿毒による浮腫
「主な症状」眼瞼浮腫、全身に波及し、尿不利、皮膚瘡瘍、潰爛。
「随伴症状」発熱悪風。
「舌  脈」舌赤、苔薄黄、脈浮数、滑数。
「治療方針」宣肺解毒、利湿消腫。

(3) 水湿による浮腫
「主な症状」全身水腫、抑えて凹陥。発病緩慢。
「随伴症状」尿少、体困重、胸悶、食欲不振、吐き気。
「舌 脈」苔白膩、脈沈緩。

(4) 湿熱による浮腫
「主な症状」全身浮腫、皮膚光滑。
「随伴症状」痞悶、煩熱、口渇、尿赤、便秘。
「舌 脈」舌赤、苔黄膩、脈沈数、濡数。
「治療方針」分利湿熱。

2.陰水
(1) 脾陽虚による浮腫
「主な症状」全身浮腫、下半身がひどく、抑えて凹陥不起、食欲不振、下痢。
「随伴症状」腹脹悶、面色光沢なく、脱力、冷たく、尿少。
「舌 脈」舌淡、白膩、白滑、脈沈緩、沈弱。
「治療方針」温脾陽、利水。

(2)、腎陽虚による水腫
「主な症状」面身浮腫、下半身がひどく、抑えて凹陥不起、尿少、手足冷え、腰冷重。
「随伴症状」面白、或いは暗、呼吸困難、心悸、寒がり。
「舌 脈」舌淡胖、苔白、脈沈弱、無力。
「治療方針」温腎助陽、行水。

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